佛教大学鷹陵同窓会 会長

佛教大学鷹陵同窓会
会長  河田 茂美
『 日常性の喪失 』

 同窓会会員の皆様には、お元気にご活躍の事と拝察いたします。又、日頃より同窓会活動へのご理解、ご協力を頂き感謝申し上げます。
引き続き鷹陵同窓会の会長を務めさせて頂くことになり、微力ではございますが、今後とも宜しくお願い致します。 
さて、自宅近くには十数年前に廃校となった小学校があり、そこには樹齢五十年を超える数多くの桜の木が校庭を取り巻いており、四月の桜の花の満開時には、地域の人々が廃校となった学び舎を懐かしみ、満開の桜を愛でていましたが、今年の風景はいつもと違い、満開の桜は誰に見られることもなく、花びらが風に散っていました。
 それは原稿を書いている今日も、今迄に経験した事のない感染症が世界中に蔓延しており、この様な状況下において少なからず影響を受けている同窓会員の方々もおられる事と思います。

            
 そのような中、私達の目や耳には日々刻々と変わる国内外の感染状況や、それに纏わる莫大な量の情報が否応なしに入ってきます。
それらの情報に私達は惑わされがちであり、その要因として誰でもが気軽に情報を発信できる時代であって、多くの情報は何ら根拠のない推測や、噂に尾ひれがついたものも少なくありません。 
 私達はこのような情報過多の中から、最新の正しい情報を得る知識、そして発信者側にも、専門家等の意見を併記することで、デマや風評被害・誤解・便乗の横行を防ぐ工夫をしなければならないと、今回の感染症蔓延を機に思いました。
本原稿が皆様の目に留まる時には、この感染症が終息している事を願うばかりです、今は見通しが立たない状況ですが、今回この一連の出来事で、私達の生活スタイル・仕事の在り方・学びの形が変わるという事を認識しました。
 教育の場では、公立・私立を問わず、多くの大学では、対面授業をオンライン授業へと変更しております。

 仕事についても、働き方改革を唱えてもこれまで遅々として進まなかったのですが、否応なしにテレワーク、web会議が当たり前のものとなり、職場に出勤して働くという事が当たり前と云う固定観念は確実に変化しつつあります。
 この様に私達は今、足元に迫っている危機に対して躊躇することなく、最善と思われる対応をしなければなりませんが、同時に、長期的な視野にたち今後の社会の在り方や、社会が受ける影響について冷静に考えていかなければならず、いずれ訪れる事象を予測し、何らかの仕組み作りを考えなければなりません。
 その事は、小さな集団である家庭内の事、自身の所属をしている組織、個々の力では変え難い社会全体に於いても必要であると考えております。
 私達の鷹陵同窓会運営についても今回の事態では大きな影響を受け、本来であれば皆様に参集を願い意見・提案を直接聴き、議論を重ねる予定でありましたが、総会開催と云う本来の団体の意思を決定する機会を設けることが出来ず、資料送付とさせて頂いた次第です。
 この様な対応は、今後の同窓会運営についての方向性を示すものではないでしょうか、これを機に更に同窓会員の皆様と共に議論を深めていきたいと考えておりますので、今まで以上に皆様のご理解とご協力をお願い致します。

 

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