令和5年4月
諦かに聴き諦かに聴け
善くこれをこれを思念せよ
『観無量寿経』
学生の皆さん 、新しい学年、新しい学期の始まりです。それはまた 、新しい授業で出会う新しい知識修得の始まりでもあります。
しっかりと聴いて、しっかりと考え理解してください。
皆さんそれぞれの目的に到達するために。
あるいは自らの地平を拡げるために。
(仏教学部准教授 市川 定敬)
『法然上人の絵物語』第三巻
(画:別科修了生 菊田水月)
第五段 天台宗の根本聖典「天台六十巻」を読み始める
出家の願いを果たした勢至丸は、「今は隠遁して山中に逃れたい」との心持を皇円阿闍梨に打ち明けます。皇円阿闍梨は、隠遁の志があったとしても、ますは天台三大部とその注釈書の合計六十巻を読んだ後で、その思いを遂げるようにいさめられました。皇円阿闍梨のおっしゃる通りであると納得した勢至丸は、十六歳の春、初めてその天台宗の根本聖典をひもとき、三ヵ年ののちにはすべてを学びおえられました。
菊田 水月