平成30年3月

年年歳歳花相似
歳歳年年人不同

劉廷芝「代悲白頭翁」  

 「年年歳歳、花あい似たり、歳歳年年、人同じからず」と読みます。「春になれば、毎年同じように花は咲くけれども、その花を見ている人は、毎年変わっていて同じではない」と、時のうつろいゆくさま、人の世のはかなさや無常を、自然と対比させて詠んでいる詩の一節です。 春は別れの季節です。今年、一緒に花見をした人と、来年も一緒に花見をできるとは限りません。出会いがあるので、別れがあるのです。
一年を経過しても全く変わらないということは果たして良いことなのでしょうか。全く変わらないというのは、全く成長していないことかも知れません。
今年、一緒に花見をした人と、来年も一緒に花見ができたならば、それはとても幸せなことでありましょう。そのときには、別人のように成長した「同じではない」姿を見せたいものです。

仏教東漸 No.24
大韓民国 海印寺
高麗八萬大蔵経

高麗八萬大蔵経は、仏教経典が刻まれた版木(現存最古)のことで、大韓民国の伽耶山海印寺の大蔵経板殿(世界遺産)に非常に良質な状態で保管されています。日本では室町時代、その版木で印刷された大蔵経が多数伝来し、近代には「大正新脩大蔵経」の底本となっています。
版木は81、258枚からなっているため、八萬大蔵経とよばれるようになりました。
写真は海印寺・大蔵経板殿にある版木。
「法宝宗刹 海印寺大蔵経研究院」提供

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