平成30年4月

すべてのことは
心に寄りそう

『法句経』  

 有名な『法句経』 (ダンマパダ)の冒頭に説かれている教えです。「ものごとは心にもとづき、心を主とし、心によってつくり出される。もしも汚れた心で話したり行なったりするならば、苦しみはその人につき従う。・・・もしも清らかな心で話したり行なったりするならば、福楽はその人につき従う・・・」。(中村元訳『真理のことば』)
インドや東南アジアでは寺院や家庭で仏事が行なわれるときには必ず唱えられるお経です。
四諦説に説かれるように、私たちの心のはたらきのりこえて福楽を得るような人柄(機)になるように生きることを教えています。
苦の原因を探ってみると、私たちの心のはたらきにあることがわかります。たとえば移り変わりながらあるものを移り変わってほしくないと捉えることから苦がやってくるのです。
話したり、身体で行う行動はみな心によってつくられはそしてその結果をもたらします。したがって人生に関わるすべてのことは心に寄り添って起こってくるのだというのです。

仏教東漸 No.24
スリランカ ダンブッラ
ダンブッラは、スリランカ最大の都市コロンボから北東に14kmの場所に8あります。
その旧市街の岩山(15m0)に黄金寺院があり、5つの石窟から構成され、それぞれの石窟に聖像や絵画があります。ダンブッラの黄金寺院は、スリランカで最も保存状態がよい石窟寺院であり、世界遺産に登録されています。
また、岩山の頂近くに天井からしたたり落ちる水滴は涸れることなく、「ダンブッラ(水の湧き出る岩)」の名の由来とされ、聖なる水として儀式などに使われています。
写真は、ダンブッラの黄金寺院(博物館)。

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