平成31年3月

恩を知って恩に報いる


『浄土選書11』― 人生の道しるべ―  

  「仰げば尊し 我が師の恩…」。卒業式の定番曲として著名な曲です。
3月は節目の月です。4月からの一年を振り返ることも多いと思います。とくに大学での勉学を終えて卒業を控えている方にとっては、これまで過ごした日々が思い起こされることでしょう。
その中で蒙った恩はどれほどあるでしょうか。先生や先輩方から。時には後輩から。もちろん親族を始めとするこれまで見守ってきてくれた方々からも。見ず知らずの人からも何か恩を蒙っていることでしょう。いまの自分があるのはさまざまな縁によるもの。怨は捨てて、恩だけを見つめましょう。
こうして知った恩にどう報いるか。直接、恩を蒙った人に恩返しができれば良いのですが、これから新たな土地で、新たな生活を始める場合はどうすれば良いでしょうか。
その時は「恩送り」。他の誰かに受けたご恩を送りましょう。大学で学んできたことをこれからの生活に活かす。それこそが大学の我が師の恩に報いることになるのでしょう
(仏教学部教授 曽和 義宏)

南伝 仏教南歩き No.12
インドネシア プランバナン寺院群

プランバナン寺院群は、インドネシアのジャワ島中部にあり、ヒンドゥー教と仏教の2つの宗教にまつわる複数の寺院で構成されています。
中心的存在であるプランバナン寺院は、古マタラム王国のバリトゥン王(在位898年?910年)による建立と言われています。1549年の地震で遺跡のほとんどが崩壊しましたが1937年から修復作業が行われました。ボロブドゥール寺院遺跡群と共にジャワの建築の最高傑作の一つとされています。
写真は、プランバナン寺院。

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