令和2年10月
衆生仏を称うれば
仏これを聞き給う
『勅伝23巻』
子どもに「仏さまはどのような方?」と問われたらどう回答するでしょうか。私はいつもお父さん・お母さんのように、皆のことを見ていて助けてくれる存在が仏さまだと答えるようにしています。
「衆生仏を礼すれば 仏これを見給う。衆生仏を称うれば 仏これを聞き給う。衆生仏を念すれば 仏も衆生を念じ給う。」
私たち(衆生)が仏さまのことを拝めば、仏さまは私たちことを見ていてくださっている また仏さまのお名前を呼べば聞いていてくださっている。私たちが仏さまのことを思っていれば、仏さまも私たちのことを心に思っていてくださっているのです。親が子どものことを傍にいようと、遠くにいようといつも心配するように、私たちのことを心配し、気にかけてくださっているのが仏さまです。ロでは何もおっしゃらないが、私たちが思えば思い、お名前を呼べば聞いてくださる仏さま。
そのような仏さまと近しい関係にある私たち。このことは本当にうれしいことです。だから私たちは仏さまのお名前を呼ばないわけにはいかないお互いなのです。
(教育学部教授 佐藤 和順)
「南無阿弥陀佛」
(画:別科修了生 菊田水月)
『仏説無量寿経』には、「この世の世界で十日十夜、善い行いを続けることは、仏様のおられるお浄土の世界で千年間、善い行いを続けることよりも素晴らしい」と説かれています。これは、この世において善い行いを続けることが、どれほど難しいことなのかということを教えてくださっています。
善い事をしたいと思う気持ちはあって も、それを邪魔する心が残念ながら顔を出してしまいます。それが普段の私の姿です。そんな私だからこそ、阿弥陀様とのご縁がありがたい、阿弥陀様に救っていただくしかありません。
菊田水月