令和元年6月
Leap Before You Look
(見る前に跳べ)
W・H・オーデン
春が来て新しい生活が始まり、少しは周囲の状況が見えてきて、自分がどういう道に佇んでいるのか、分かってきたころかも知れません。
W・H・オーデン(Wystan Hugh Auden)という詩人は、Leap Before You Look(見る前に跳べ)題する詩の中で「危険の感覚が消え失せてはならない。たとえここからはどんなに緩やかに見えようと、君の行く道は短く険しいのだ。見たいなら見るがいい、でも君は跳ばなくてはいけない」と言っています。
自分がこれから進もうとしている道が、どのような道であるのか。当然そこには何らかの危険が潜んでいるものです。それは決して忘れてはなりません。それでも、一歩踏み出さないと、何も得られないのです。
いまは情報が溢れており、見たいと思ったらいつまでも見ることができてしまいます。そんな時代だからこそ、自分が挑戦してみたいと思ったことに対して「見る前に跳べ」。
(仏教学部教授 曽和 義宏)